色で楽しむキモノ~Let's coloranalyze!~

医師できものカラーコーディネーターが着物の魅力と生活のスパイスを書いています。

お正月コーディネートと宝尽くし(1)

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姑から譲られたきものを着て実家を訪ねるお正月。帯は祖母から。



あけましておめでとうございます。

お正月、元旦のコーディネートは宝尽くし。

 

ブルーが余りに鮮やかに感じられる宝尽くし柄の名古屋帯は祖母のものでした。いったん次男の嫁であった叔母に渡り、先日、私の手元へ届けられました。祖母は姉が家族の歴史をまとめてくれた文によると、「企業家の嫁、ヨシノ」と題されて、明治の終わりの生まれ。福島から横浜へ上京して看護婦となり、夫の開業を手伝いながら神奈川県で女性では3人目という運転免許を取得したり、活発な人だったようです。私たち孫には甘い甘い祖母でした。派手好きで赤やローズ色を好んで着ていたので、この帯も祖母の目にかなったものだったのでしょう。

宝尽くしは 隠れ蓑、隠れ傘、丁子(クローブ)、宝珠、打ち出の小槌、鍵、宝袋、巻物、軍配、分銅、七宝など宝物を集めた縁起の良い柄です。松竹梅と、これも縁起が良いので、重ねて描かれることも多いとありますので、この帯も松や竹、菊などと一緒に描かれています。

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さて、宝尽くしの一つ一つは手書きなのでしょうか?同じものが見つからないほど、少しづつ違います。ヘタウマというのか一つ一つをみると不格好な形もあります。気楽に着物を着ていた時代のものなのですね。

巡り巡って私の手元に来た着物を大切にしたいと思います。