色で楽しむキモノ~Let's coloranalyze!~

医師できものカラーコーディネーターが着物の魅力と生活のスパイスを書いています。

高次脳本① リハビリテーション科の医師が選ぶ障害の本

 

今まで、着物中心に書いてきましたが、今回は障害の本の紹介をしたいと思います。

私の専門の一つに高次脳機能障がい者への支援があります。

高次脳機能障害は見えない障害といわれて、周囲から理解されにくいと言われます。

悩んだ当事者(患者)やご家族が自分たちの経験を本にしてくれたものがわかりやすいです。共感できるし、障害の言葉を身近にしてくれます。

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北海道の家族会は活動が活発なことで全国的にも有名な家族会の一つです。

その家族会「コロポックル」の妻の会(夫が高次脳機能障がい者)の会員が自分たちの経験を書いた本です。ちょっと変わって退院してきた夫に妻は、驚いたり、悲しんだり、子どもの前で何もなかったようにふるまったり、時間の経過と共に受け止めようと、なんとか暮らして行こうと奮闘しています。中でも会社に復職して仕事ができないため退職(リストラされた)した経験が書かれています。入院中から専門職がかかわっていてくれたらと後悔しているとあり、情報の有無がその後の生活も変えてしまうことを改めて考えさせられました。

どのご家族も現在進行形です。救いはどの妻もあきらめていません。家庭を居心地の良いところにしようと、自分も子供も夫も大切にしているのがわかります。

 

このような本を紹介しようと思った理由は医療系の本、特にこのように患者さん側の視点で書かれている本は、出版したらすぐに紹介しないと絶版になることに気が付いたからです。少しでも多くの方に読んでいただきたいし、図書館医こういう本があって、もし家族が高次脳機能障がい者になる前に読んでいれば、戸惑いが少なく対処できるのではないかと考えています。

 

もう一つの理由は障害のあるなしに関わらず、家族間のトラブルはあると思います。そういう方にも読んでほしい、家族の関係の間の取り方や、パートナーへ期待すること、自分自身の生活のためにしなければならないことはどの家庭も、だれでも一緒と思われます。参考になります。

ポロミナの会員の方へありがとうと伝えたいです。