色で楽しむキモノ~Let's coloranalyze!~

医師できものカラーコーディネーターが着物の魅力と生活のスパイスを書いています。

春の色 ピンクを着よう①

春の色 ピンクを着よう

 

 東京はもう桜が咲いているのですね。山形ではフクジュソウの黄色がまぶしい季節です。

春の色といえば、桜が咲くようになるとピンクが着たくなります。お恥ずかしながら、褒められることも多いのです。たぶん着物を褒めてくれるのですが、悪い気はしません。

 

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各シーズンのドレープをご覧ください。

着るのに勇気が必要なピンク、大人女子向けにシーズンカラーに合わせたおすすめピンクを紹介します。

私はサマーですので青味がかったピンクが似合います。

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濃淡はあっても、ブルーベースの方に似合うピンクです。

口紅ではないので色無地の着物であれば真ん中の色が着こなしやすいですし、帯揚げににアクセントに使うとすれば下の濃いピンクもスタイリッシュ。

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イエローベースのピンクはイメージとしては草木染のピンクです。

オータムさんはやや赤み、黄味が強いピンクが似合います。草木染に使われている色ですね。

それぞれ自分に似合うピンクを探して見てください。派手!ではなく、自分の魅力が似合うピンクを探しましょう。

 

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 私が着物のカラーコーディネートを教えていただいた能口祥子先生の著書です。パーソナルカラー診断については書かれていませんが、コーディネートに基本がわかりやすく書かれています。

 

 

フネさんに見える上着

フネさんに見える上着 

 

フネさんのよう、と言われました。けっこう嬉しい。

 

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麻の割烹着をつくりました。

と言っても息子のゆかたからのリフォームです。小千谷縮のゆかたを息子に誂えましたが、結局着ないまま返してきました。

それでリフォーム。

引っ張りのように前合わせ。エプロンと同じ長さ110cm、ポケット付きと便利を詰め込んだオーダーをアトリエまさ木にお願いしました。

1.自宅で着るのはもちろん、スーパーや郵便局くらいだったらこのまま出かけられる。

2.縮生地はしわが目立たないので自分で洗える。

3.前が二重で濡れに強い(防水スプレーもいいかも)

4.さらっとして通気が良いのでこれからの季節涼しい。

5.麻は軽いので着ていて楽。

6.ポケット付きは自宅での生活で便利。スマホ入れられる、ミカンやこしょうのビン、ハンコなどもポイと入れる((笑)

いいところ尽くしです。

追加で洋服の上にも着られそう。

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私のように体に厚みがあるタイプは薄めの軽い生地が良いかも。この記事もしっかりした小千谷縮ではありません。リサイクルの綿麻混ゆかたでリフォームできそうです。

 

アトリエまさ木(@atelier_masaki_kyoto) • Instagram写真と動画

 

今年の夏は麻の上着を加えてみませんか?

 

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着物のリフォームの本は沢山ありますが、私はこれが好き。
 

 

高次脳本⑨ リハビリテーション科の医師が選ぶ障害の本

高次脳本9冊目 前頭葉機能不全その先の戦略―Rusk通院プログラムと神経心理ピラミッド

高次脳機能障がい者支援に行っているリハビリテーション科の医師(きもの大好き)がおすすめする本の紹介です。

 

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著者の夫は音楽の専門家であり、ヨーロッパを中心に仕事をしてきました。突然の発症、そして本人の本質を理解していないように見える病院でのリハビリテーション治療に家族は焦燥感、絶望を感じます。妻であり同じく音楽の専門家(フェリス女子学院大学教授)である著者立神祥子さんは門外不出、その内容をすべて理解しなければ他には提供できない高次脳機能障害リハビリテーションプログラムを行っているRusk研究所に回復を懸けるのです。しかも、立神先生は、夫のプログラム参加中に研究所から認められて、日本に紹介することを許可されたのです。

平成23年には山形に講演に来ていただきました。ご夫妻は、クリスチャンであり、穏やかな語り口の当事者である小澤富士夫氏、そして横浜、山手の丘の雰囲気を伝えてくださる立神先生を山形にお迎えしたことは、高次脳機能障がい者の回復に方策があることを目の当たりにした貴重な機会でした。

音楽の専門家は日々の訓練が何よりも大切であるということを音楽を始めた幼少期から気づいているのでしょう。ご夫妻共に訓練の重要性を理解して私からすれば過剰とも思えるプログラムを全うするのです。

高次脳機能障害のうちでも記憶障害については比較的理解しやすいですが、この本の出版によって、注意障害、神経疲労についてより注目が集まることになったのだと思います。

 

 

 

高次脳本⑧ リハビリテーション科の医師が選ぶ障害の本

高次脳本8冊目 壊れた脳 生存する知

高次脳機能障がい者支援に行っているリハビリテーション科の医師(きもの大好き)がおすすめする本の紹介です。

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高次脳機能障害を発症した患者さんのご家族の方は発症前と比較して良くならない、変わってしまったと言います。リハビリテーションを担当している側としては発症の時よりはずっとよくなって見えるので、医療者とご家族と意見がすれ違うことがあります。山田規畝子さんは私にとってご家族の感じ方を実感できると思える存在でした。

 

著者の山田さんは大学、整形外科医局の1年後輩です。きっこちゃんと呼ばれていました。彼女とは学年は違っても気が合うというか、高松のご実家に遊びに行ったこともあります。彼女は講演の時に私がいると気を使って医師として注射の仕方から教えてもらったと話してくれていました。実際は頭の回転の速い彼女に私がついていくような形でゴルフに行ったり、飲み会を企画したり、仕事でも何日も病院に泊まり込んで合宿のようでした。私たちの整形外科の大先輩が大学から移動されたときの送別会にも息子さんと日本橋のホテルまで駆けつけてくれました。山形に講演に来てくれたこともあります。山形にいらしたときに大学の同窓会の先輩方が集まってくださってお話をしたときは大学の教授の名前、構内の設備はきっこちゃんが一番覚えているのです。それでいて、大事なものをなくしそうになったり、本当に高次脳機能障害の症状はわかりにくいと改めて思いました。

この本を出版してから、定期的に著作を発表していきました。当初は自分の気づき、周囲の反応などを冷静に書くことが多かったのですが、次第にほかの方にも役に立つような対処法、考え方に内容に変わっていきました。彼女の症状もまた改善していたのだと思います。

講演を全国に招かれて行っていたところ、数年前に再度発作を起こされてから、現在一人暮らしは難しいようで、残念ながらお目にかかれていません。情が厚く、チャレンジャーなきっこちゃんはリハビリにがんばっていると思います。今度はキモノで会おうね。

今回は懐かしい話ばかりになってしまいました。

 

 

山田規畝子さんHP

「壊れた脳 生存する知」山田規畝子オフィシャルサイト (rocket3.net)

 

 

 

 

私のきものストーリー②

今週のお題「〇〇からの卒業」からの卒業です。

 

母が着物を卒業した話を書きます。

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左)母から譲られたきものを着たkeros、右)最後に買った着物である黄八丈を着た母喜寿の祝いの写真から

母の着物

私の母は、海の近くの田舎で育ちました。医家の長女として生まれ、医師である父親は30歳代でなくなり、母親も病弱で、自分は医師になる!という強い意志で町に出て、勉強したそうです。叔父の配偶者が医師で病院は続いていたものの、収入がない母たちは肩身の狭い思いもしたと思います。

経済的にも決して豊かではなく、大学の同級生だった父から見ても「いつも変な格好をしてお腹を空かせていた」とのこと。薄幸そうな様子に父が惹かれたのでしょうか、モディリアーニの絵を見て父が「似てるな」と言ったのを聞いたことがあります。

母の母親も私が生まれる前に長い療養生活のあと亡くなっていましたし、医師として継がなければならない病院があるにもかかわらず、父と結婚してしまった母は実家とは疎遠になっていましたので、母には受け継いだ着物はありません。

なので、母の着物は全て自分で手に入れたものです。小児科医として働きながら、3人の子育て、義父母との同居、たくさんの職員さんとの関係など忙しく忙しく働いていた母です。

私が着物を着るようになってからも、「私の着物はあなたに全部上げるから買わないで」と繰り返して話してくれました。でも、譲ってはくれないのです。自分の着物だから。

それが、数年前から本当に譲ってくれるようになりました。自分がもう着られないとわかってきたのですね。

自分が着られるうちは譲りたくない自分の着物、そんな母の気持ちは着物好きDNAとなって私に受けつがれたのでした。

 

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高次脳本⑦ リハビリテーション科の医師が選ぶ障害の本

高次脳本7冊目 交通事故で頭を強打したらどうなるか?

高次脳機能障がい者支援に行っているリハビリテーション科の医師(きもの大好き)がおすすめする本の紹介です。

 

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大学に復帰してから、マンガを描き、囲碁をやる研究会を作ったり、課題は友人に得意な分野と交換してもらったり、あえて、コミュニケーションスキルが必要な営業職を選んだり。著者の毎日はリハビリテーションです。

保険金が下りた時、大学に行くお金ができたと感謝する。そして、脳挫傷受傷から4000日以上が経過して、保険金と同じ額の貯金がたまった時にリハビリテーションの旅が終わるのです。

人の役に立つことができたなら私は交通事故で頭を強打したかいがある

脳に障害があるのは悪いことではないかもと障害を持つ人も持たない人も心にとどめてほしい。と訴える著者大和ハジメさん。

自分の障害マンガにコメントされることを励みに継続してきて、完結したことで本当の意味で事故を克服できた。障害から逃げなくなったと書いています。それは障害とは関係なく一人の青年の成長の記録でもあるのです。

絵が徐々に上達していくところに私も読みながら達成感を感じました。

 

交通事故で高次脳機能障害に悩んでいる人、その方の家族、支援者に読んでほしい一冊です。

 

私のきものストーリー①

私は来年、数えで60歳になります。還暦を、赤いちゃんちゃんこではなく、母から譲られた着物で人生を振り返り、これからを豊かに生きられる記念日にしたいと考えています。

 

着物は、富士山や桜のように、日本文化のひとつです。着物を着た人は、文化の一部になれるのです。私は「きものコーディネーター」として、それぞれのライフスタイルに合った着物の着こなしをご提案しつつ、“人生の節目を着物で迎える”文化を広めていきたいと考えています。

 

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今週のお題「〇〇からの卒業」

考えてみれば大学の卒業式でも、結納(独身からの卒業)でもこの振袖と一緒でした。

 

成人式に着た振袖です。高校生の時、呉服屋さんが持ってきてくれたこの振袖を見て一目ぼれ。母にせがんでかってもらいました。成人式、謝恩会、姉や友人の結婚式、自分の結納とお嬢様は元を取ったと呉服屋さんに言われるほど着ました。

どの日も私にとって大切な記念日です。こんな記念日をもう一度、大好きな着物でつくりたいと考えています。

この写真は2019年東京キモノショーにコーディネートを発表したときのものです。大人の振袖黒と赤と名付けて黒を基調にして、来場者アンケートで入賞したコーデ。大学の同級生が真顔で今は私たちも振袖を着られる時代になったの?と質問してくれたのもその時でした(;^_^A

 

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